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超高速船にてなかば空を飛びながら島へ。 そういえばこんな天気の日もあったとおもう。 夕方遅くなってしまったが、コトヒキを釣るために祖納(そない)の川に立つ。 赤茶の砂とマングローブ、そしてたくさんの小動物で構成されたこの川は 西表島で初めて釣りをした場所だ。 速ければ何を投げても釣れる。 そう思っていたが、 暗くなってもメッキアジ以外に竿を曲げる魚はなかった。 ヒナイ川河口。 河口に扇状に拡がるマングローブの林を潤すピナイサーラの滝が、 見事に一筋の水塊を吹き出し続けている。 雨が降る。水は濁る。温度が低い。 上流への船上で雑音が聞こえなくなる。 船のエンジン、人の声、全てが消され、 森と自分自身の距離を思い出す。 雨林の音が聞こえる。 イノシシが2頭現れた。オオウナギが水中の立ち木に横たわる。 ルアーをワンキャスト。 イセゴイに初めて出会い、少々面食らう。 この瞬間だけのために行くのだ。 渓流釣りの面白さ、バス釣りにあるユーモラスなトップウォータールアーの愉しみ、 メッキ釣りのスピード。コトヒキを凌ぐ力強い引き。 小物釣りにおける僕の全ての欲を満たす唯一のターゲット、オオクチユゴイ。 ホシマダラハゼ、メッキ、ゴマフエダイ、コチ、 毎度毎度この島に来る僕にとって、常に必要な魚がいる。 締めくくりに南風見田の浜(はいみだのはま)で夕刻、ハタの子を釣る。 5kgほどのミニGT狙いだった。 ミジュンの回遊で朝から島の人がサビキを垂らしているのだ。 サビキに興じたりしたかったが時間がない。 されどGTは回ってこない。 時間がない。 外海にダツがいる。黒い魚影がある。 イカだ。クブシミだ。そしてGTも登場。 時間がない。 餌木のトウィッチ&フォール。 雨が強くなる。 結局同行者(島で出会った方)が釣ったイカを持ち帰り、食する。 何匹もいたが、最終日ゆえに1匹以上食べられないのが惜しかった。 |
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西表島2004.10.23 そして最大のテーマは これまでの自分の行動を全て否定しかねない内容である。 釣りは自然に親しむ行為であるが、自然と一体化する遊びにはならない。明らかに欲が支配している。当然環境に対して見失っている部分が大きい。いくら自分自身が無欲の釣りの極地に到達したとしても、フタガミのいう、サーフィンやトレッキング、登山などにおけるその極地には絶対に、まったくといってよいほど近づけない。ましてやそれすら考えずに、欲にまかせた釣りをしているとすれば、ますますこの島で釣りをする必要がないと思う。釣りをする資格がないなどと厳しいことを言っているのではなく、『必要』がないのである。 島の環境は昔から変わりつつある。それはバス問題やダム問題と同じように、人間の営み、大きな利権という欲からくるもので、仕方がない部分がある。個人的にはそうやってこの島は潰れて行くものだと思うし、そうなってしまっても止める権力もなければ権利もない。地球自体、大きな力を持った人間が食いつぶすために存在していると思う。たとえ浦内川の河口が浅くなってしまったのが月ヶ浜の開発のせいだとしても、道がよくなったのが島の生活のためだとしても、自分自身、何の異論もない。人間の欲の大きさからすれば、遅かれ早かれ固有種であるヤマネコなんて絶滅するためにいる生き物にすぎない。(こんなことを平気で書いているわけではないが、それくらいはちょっと考える力があればわかってもらえるだろうと思ったので…念のため。) さてこのリゾートにおける釣りはどうだろう。自然に対する遊びであることを盾に、利権や生活とはまったく異なるおかしな欲に任せてナイロンやプラスチック、鉛のかたまりを捨て、植物を引っこ抜き、マングローブを踏みにじる。同じ他の土地から来たくせに観光客より大胆に、アグレッシブに行動する上に、後片付けやフォローなどまったくしない。この島に来る釣り人が皆、「自分たちが放った以上のゴミ」を拾ったり、「自分たちが壊した分だけでもマングローブを戻そうという植林」をしたりするような面倒な行為に走るとは思えない。だんだん自分自身がその権化、筆頭のように思え、自責の念にかられるようになる。なぜこんな遊びを好きになってしまったのだろうか、とさえ思えてくるのに、釣りを辞める気が起こらない。残念ながら、ものすごく今の自分は不安定な存在である。 今まで、この島に釣りに来るたびに毎日感動的な結果が待ってくれていた。だからこそ、見えなかった。今回、はじめて経験した挫折感によって、言葉として気づいたのである。「自分は不必要に島を壊しに行っていただけである」という部分。それだけならまだよい。自身のホームページの誰もが見るプロフィールの部分に「一番好きな魚」などと軽薄な言葉で、不必要に魅力を何年にもわたって誘いつづけてしまっていたわけである。今回その部分がいかに大きな力を持っていたかを思い知らされた。私のページを見た方は、その魚が気になり、噂が先行する。その魚について他の方が記事にしている。そのふたつだけで十分なまでに釣り人の『不必要』な欲が発生するのだ。さすがに反省した。これらの魚がそこまで魅力的であれば、海外で雑魚扱いされたりはしないだろう。自分があちらこちらで、ほんとうに様々な種類の魚を釣った上での率直な感想を述べただけだった。しかしそれがいけなかったのかもしれない。 自分には島の自然の衰退を無くすことはできないが、少しでも遅らせることはできるかもしれないのだ。 |
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