ウィードのぺージ

琵琶湖のウィード


SFN8月号掲載文より(読む方はコピー&ペーストやオフラインでどうぞ。)

ウィードの話

 琵琶湖のウィードはだいたい3〜5月に生えはじめるが、ココ数年、度重なる浚渫のニゴリでpHが急変したり、日光が遮断されるようになった。これらが原因となって、地域によってはウィードの種類の生長順位が変わってしまい、例年のパターンでは釣りにくい状況ができている。
 例えばこれまでの有力ウィードは、エビモ、クロモ、オオカナダモなどの「釣りやすい、硬いウィード」であった。しかし浚渫のニゴリが続くと、カボンバやオオフサモのように水質変化に強いウィードが先にシェードをつくり、「硬いウィード」の育ちにくい環境ができてしまう。カボンバもオオフサモも魚は好むウィードだが、「釣りにくい、柔らかいウィード」なので、既存の攻略法だけで釣っても限度があると思う。
 ただ、これらは魚がつくのでまだ救いがある。問題はトロロやアオミドロといわれるランソウの仲間だ。近年浚渫ニゴリによる光透過率の減少で、春先これが異常に増えてしまう場所が多い。モチロン魚は好まないウィード、というより魚に適した水質ではない証拠になるので、釣れない。
 これらウィードの問題の多くは夏までに解消されるのだが、釣れないときは1歩踏み込んでいろんな環境のことを考えたほうが好釣果につながるといえる。

ここで、ウィードの種類についてのマメ知識を。。。

琵琶湖のウィード

 トチカガミ科
クロモ
花期8〜10月。越冬芽で越冬。
茎はよく分枝し、各節に3〜10葉を輪生する。葉は無柄で線形、長さ8〜26mm、幅1〜3mm、葉縁には鋸歯があり、ときに著しく反り返る。

コカナダモ
花期5〜9月。常緑。
北アメリカ原産の帰化植物。丈夫の茎はよく分枝し、葉は通常各節に3輪生である。これによりオオカナダモと識別できる。切れ藻による栄養繁殖で各地に繁殖。関東、北陸などでは優位種。

オオカナダモ
花期5〜10月。常緑。
南アメリカ原産の帰化植物。葉は茎に密につき、3〜8輪生、広線形で長さ1.5〜4cm幅2〜4.5mm。葉縁には細鋸歯がある。

セキショウモ、ネジレモ(スクリューバリスネリア)
花期8〜10月。芽による越冬。
葉は根生、テープ状で、長さ10〜90cm、幅3〜9mm。葉がらせん状にねじれたネジレモといわれるものが琵琶湖でよくみられるが、セキショウモでもねじれが生ずる地域があり、分類は難しい。

 ヒルムシロ科
ササバモ
花期7〜9月。殖芽越冬。
琵琶湖西岸、とくに小野〜和邇沿岸の水面に大群集が見られる、沈水または浮葉植物。水中茎は流れになびいて3、4mにも達する。葉は長楕円形(ササの葉形)で長さ5〜30cm、幅1〜3cm。群集の位置は水上まで葉を出すので見分けることが出来る。

エビモ
花期5〜9月。止水域では殖芽越夏。流水域では通年生育。
全国のさまざまな水域に生息し、水質の汚染にも強い。このため水質環境の指標生物にもしていされている。葉は広線形で長さ2〜10cm、幅3〜10mm。葉縁は波打つ場合が多い。川などの流れの強い水域では葉が太く、硬くなる傾向が見られる。

 
フサモ
花期5〜10月。常緑。
まるで鳥の羽のように細裂した葉が特徴的で、しばしば赤みをおびる。冬に水温がある程度あるところでは、そのままの状態で越冬するため、春先に他のウィードの発芽のための陽光をさえぎってしまう。このため地域的に優位種となりやすい。フサモの仲間は川や湖沼でよく見られ、とくに琵琶湖南湖に大規模な群集が見られる。アクアリストの世界ではパロットフェザーと呼ばれている。

マツモ
花期5〜8月。殖芽越冬。
世界中に広く分布する浮遊植物。根はなく水面下に浮遊しているのが普通だが、ときに茎の基部が仮根の役割を果たし、水中に固着していることもある。サイズや硬さなど触感は生育環境によって著しい変化を示す。拍出酸素量は多く、「金魚藻」として親しまれている。

ハゴロモモ(フサジュンサイ・カボンバ)
花期7〜10月。
北アメリカ原産の帰化植物。各節で2対の扇形に広がる葉身は、基部で5裂片に分かれ、さらにそれぞれが2〜3回二叉状に分裂して糸状の裂片が掌状に広がる。水槽観賞用植物「カボンバ」として導入されたものが繁殖。水質汚濁にはやや強く、群集を作る。生育には多くの光量を必要とする。琵琶湖南湖沿岸部に多く見られ、伸長が早い。

参考文献:角野康郎,1994.日本水草図鑑

※クロモ三兄弟の見分け方
クロモによく似たオオカナダモ、コカナダモの見分け方を紹介しましょう。
まず茎を切って葉のつき方を見ます。葉が茎の周りにぐるりと生えているのがわかりますね。これを輪生と呼びます。

a.毎回一つの節あたりに3枚の葉が輪生している、小さめの種類。
b.一つの節ごとに3〜8枚の大きな葉が輪生、縁がツルッとしている種類。
c.一つの節ごとに3〜10枚の、縁が小さくギザギザした葉が輪生している種類。

この3つのパターンに分かれると思います。(モチロン例外もあります)
aはコカナダモです。これが生えている地域は周囲の地域と比べて水温が低いのかもしれません。夏場はこの地帯ごと要チェックです。
bはオオカナダモです。この種類は葉が大きく、密生するので影の濃いシェードを作りやすく、夏は格好の魚の避暑地になります。また冬も枯れにくいので場所をチェックしておくといいかもしれませんね。
cはクロモです。夏場は良質のシェードとなりますが、冬は枯れてしまいます。